【求人広告会社の直販と代理店の違い】両社経験した僕がお答えします

求人広告会社に転職希望している方の中で良く聞く質問として、

「直販(メーカー)と代理店があるけど、どっちがいいの?」

「やっぱり直販の方が待遇いいの?」

と聞かれることがあります。

こちらについてお答えしていきます。

僕は、某大手求人広告会社(直販)で7年、その後求人広告代理店に転職して3年、営業を行いました。

業界の離職率も高いと言われる中、直販・代理店両方を経験したことがある人は、そんなに多くないかと思いますので、

僕自身の経験も含めてお伝えできればと思います。

結論、どちらにもメリット・デメリットはありますので、記事を見ていただき、転職活動の参考にして頂ければ幸いです。

この記事の内容

  • 直販と代理店の違いについて
  • 直販のメリット・デメリット
  • 代理店のメリット・デメリット
  • まとめ。自分がどうなりたいかで、選べば良し

こういった流れでお伝えしていきます。

では早速いきましょう!

直販(メーカー)と広告代理店の違いについて

そもそも、求人広告の役割とは、人材を採用したい企業(クライアント)と、希望する仕事に就きたい求職者(カスタマー)を広告を通じてマッチングさせることです。そして、求人広告営業の使命は、そのマッチング精度を高めるために、企業に対し適切な企画提案を行うことです。

直販(メーカー)とは、いわゆる版元のことで、求人メディアの発行元です。

誰しも、人生で一度は、新卒の就職活動・転職活動・アルバイト探しの際に利用されたことはあるのではないでしょうか?

広告代理店=直販が発行している、求人メディアを直販の代わりに販売する会社のことです。

中には、上場している規模の大きい会社もあります。

直販のメリット

大手企業が多いというところに集約されます。

大手企業であることのメリットとしては、

  • 社会的信用が高くなる
  • 教育カリキュラム、人事制度、福利厚生が整っている
  • オフィス環境が整っている
  • 営業インセンティブが付きやすい
  • 給与ベースが高い
  • 版元として商品に対する思い入れが高い

特に、社会的信用部分の影響は大きく、自分自身の実力関係なく、その会社の社員であるというだけで、信用が高くなることを実感します。例えば、家族に安心してもらえる、友人に社名で伝わる(ドヤれる)。住宅ローンなど銀行融資を受けやすいなどもあります。

後は、大手企業ならではの、福利厚生・環境が整っています。僕が大手にいた時は、半年に一度キックオフミーティングという全社総会があり、全国色々な場所で開催し、沖縄にも行けたりしました。他にも、事あるごとにキャンペーンなどがあり、その演出がとにかく派手で、お金の掛け方が半端なかったです。

でもそうした演出のお陰もあってか、働いている人は常にエネルギッシュで、ハイな状態だったように思います。給与・ボーナスの他に、ちょっとしたことでインセンティブがもらえたりしたので(多い時で10万円とか)、当時若かったこともあり、値段を気にせず高級店で飲食してました。

また、自社商品を扱っているため、その商品・サービスに対しての思い入れが高いのが特徴です。僕が仙台で営業していた時は、競合メディアも少なかったことや、WEBよりも紙面全盛だった時期だったので、タウンワークで仕事を探す人が非常に多いマーケットでした。そのため、版元である自分たちとしては、「我々が仙台の雇用を創るんだ」という風土があり、働く仲間はそうした気概やプライドを持って仕事をしていました。

直販のデメリット

  1. 自社商品しか扱えない
  2. 業務内容が明確に決まっている(完全な分業・縦割り社会)
  3. 評価基準が明確に決まっている(業績指標のみ)
  4. 給与ベースは高いが、昇給率が少ない

こちらは、順を追って説明していきます。

自社商品しか扱えない

これは当然といえば当然なのですが、販売できるのは自社で発行しているメディアのみです。

こちらに関しては、

「提案するものが明確な方がシンプルでいいじゃん」と思う方もいるかと思います。

なぜデメリットかというと、求人広告営業をしていると、効果が出ないことも多々あるのです。

効果出ないとは、応募数が少ないとか、採用に繋がらなかったとか、掲載頂いたクライアントの満足に直結する成果のことです。

効果が出ないと「次回は他のメディアでやるよ」となるのは当然ですし、またありがちなのは、明らかにそのニーズに対して、自社サービスがマッチしていないケースがあるんです。それに対しても、自分の営業数字のために提案をしなければならないため、「本当にこの提案はお客様のためになっているんだろうか。」と考えてしまうことがあります。実際に僕が代理店に転職をした理由の一つがこれです。

業務内容が明確に決まっている(完全な分業・縦割り社会)

評価基準が明確に決まっている(業績指標のみ)

版元の営業マンとして採用されたあなたの使命(ミッション)は、営業目標数字を達成することです。

それの達成度合いによって、評価が決まり、その評価によって給与額が決定します。

「成果主義の方がいい」「余計な仕事しなくて済む」という人にとってはむしろメリットかと思いますし、僕も成果主義は賛成なのですが、なぜこれをデメリットにあえて入れているかというと、営業数字の達成が、自分の営業力以外の問題、すなわち外的要因に左右されることもあるからです。

例えば、オープニングで大量採用が必要になり、その時に大きな提案が入り、そのお陰でハイ達成しました。この場合、オープニングが落ち着けば、採用はそんなに必要ではなくなりますよね。欠員が出た時の補充採用程度です。

でも、目標数字は、過去の実績から算出されるケースが多いため、高い目標を設定されることになります。

この辺は、完全にデジタルで決められるので、いちいち調整が入りません。数字が行かなければ、その数字を補うために他のクライアントを見つけてくるといった営業が必要になります。それでも未達なら、あっさり評価が下がります。

僕もMVP獲った後の査定は最高評価でしたが、次の目標を大きく外してしまい、給与がジェットコースターのように下がったという経験があります笑

まあ、デメリットというかその辺はシビアなので覚悟が必要ですよ、という話です。

給与ベースは高いが、昇給率が少ない

大手企業に勤めていたというと、周りから結構言われるのが「大手企業って給与高いですよね」「給与高い大手辞めて、なんで代理店に転職したんですか」という言葉でした。

確かに、給与額のベース(初任給額)は、他の会社よりも高かったように感じますが、でも数万円の話です。

そして、給与評価もシビアですし、安定昇給もないので、その後の伸びはあまりありません。確かにインセンティブが割と付いたので、年収ベースではそこそこもらえた感じですが、当時は毎日終電まで働いていて、仕事でエネルギーを使った分、飲み会や買い物で散財してストレス解消!みたいな生活でしたので、お金は全く貯まりませんでした。これは自己責任かもしれませんが、でも周りもそんな感じの人が多かったです。

仕事自体は充実してましたし、給与も悪くは無かったのですが、でもこの生活続けていたらシンドイな。ということは思っていました。

代理店のメリット

続いて広告代理店側のメリットを記載して行きます。

  1. 幅広い求人メディアを扱える
  2. 社名より、自分の名前で覚えてもらえる
  3. 営業以外の仕事のチャンスもある
  4. 自社の経営層と近い距離で仕事ができる
  5. 他部署の人と交流がしやすい

幅広い求人メディアを扱える

直販のデメリットと逆です。これが最大の強みでもあり、クライアントも「直販よりも代理店を通じて求人掲載したい。」というニーズもあります。

なぜなら、直販営業は基本的に自社にとって都合のいい事・メリットしか言わないので、客観性に欠けるということがあるからです。逆に代理店は、あくまでも自社商品ではないので、客観的にそのサービスのメリット・デメリットを伝えることができ、いくつかのサービスを比較検討させた上で、最適なメディアプランを提案することができます。

社名より、自分の名前で覚えてもらえる

先述したように、大手の社員になると、実力以上に社会的信用が高くなることを実感します。そうしている内に、自分の実力と勘違いするようになってしまいます。よく大手企業でMVP常連だった人が、鳴り物入りで他社に転職したら、全く活躍できずに辞めてしまった。というエピソードを耳にします。その人は、大手企業という看板があったからこそ、売れていただけだったんですね。それを自分の力と勘違いしてしまったことが原因でもあります。

良くも悪くも、社名だけで営業が出来てしまうんです。僕も、大手企業に居た時は「○○のタカハシです」というだけで、「ああ、〇〇さんね」でアポが取れたことが何度もありました。

逆に、求人広告代理店は、一般的に社名を知られていないケースがほとんどです。そうすると、営業しても「何の会社?」と100%聞かれます。看板がない以上どうするかと言えば、自分自身がその会社の看板になるしかありません。そうすると、「株式会社〇〇の、△△さん。」ではなく「△△さんがいる、株式会社〇〇さん。」という認知がされます。

僕が、今こうしてフリーランスになろうと決意できたのも、代理店で自分の名前で営業する経験を重ねてきたことで、自信を深めて来れたからです。

営業以外の仕事のチャンスもある

広告代理店だからということではないかもしれませんが、大手版元に比べて、中小企業比率が高い代理店では、全ての仕事が縦割りになっている訳ではなく、みんなで会社を創っていくという風土があります。そのため、営業マンは営業以外の仕事を任されることもあります。面倒と思うかもしれませんが、求人広告営業マンの仕事は、求人広告枠を販売するだけが仕事ではなく、目的はクライアントの採用成功であり、人材の定着、さらには組織開発といったことにまで及びます。そうした意味で、自社の仕事を幅広く体験しておくことで、クライアントに対し、自社の取り組み事例などを紹介しやすくなります。全ては、自分自身を高めるためと思い、積極的にあらゆることを経験していきましょう。

自社の経営層と近い距離で仕事ができる

大手企業ですと、社長はもちろん役員はおろか、部長クラスと話す機会もなかなかありません。

会社としての在籍人数は多くとも、実際に直接仕事に関わる人は、数名程度ということがざらです。

逆に、企業規模がそこまで大きくない代理店の場合(あくまで規模によりますが)、社長のデスクが脇にあるとか、役員と頻繁に飲みに行けるとか、経営陣関われる機会が多いので、仕事上の悩みや将来やりたいことの相談などもすることが出来ます。イチ企業の社長役員である以上、過去に圧倒的な成果を出していた方ばかりなので、アドバイスも的確だったり、「そんなやり方もあるのか」と目から鱗が落ちるような話を聞くことも出来ますよ。

他部署の人と交流がしやすい

先述したように、大手企業は在籍人数が多いとは言え、普段直接関わる人は数名程度ということも多々あります。

(もちろん、自ら積極的に行動をすれば、色々な方と接点を取れる機会は沢山あります)

なぜそうなるかというと、大手企業の場合、部署毎にフロアが分かれていたり、オフィスも全然別な場所にあったりするので、直接的なコミュニケーションが意外と取りにくかったりします。

コミュニケーション自体は、メール・電話で十分かとは思いますが、ちょっとした雑談から生まれるようなことも沢山あります。

逆に、代理店の場合(こちらも企業規模によりますが)、同じフロア内に、複数の部署が置かれているなどするので、気軽に声を掛けやすかったり、相手の顔とどこの部署の人かが認識し易いです。

そういう意味では、僕も代理店で働いていた時の方が、アットホーム感というか人を温かさを感じたり、会社への帰属意識は高かったように感じます。例えば、何かいい仕事をした時に、「こないだの仕事凄かったですね〜」とオフィス内で気軽に声を掛けてもらえるとやっぱり嬉しいんですよね。

代理店のデメリット

  1. 社名を言っても伝わらない
  2. 自己成長をしないと通用しない
  3. 版元に比べてインセンティブが少ない

1、2は特にですが、やはり自分が会社の看板として、セルフブランディングをしないとクラインアントからの信用は得られないわけなので、相応の努力は必要となります。例えば、ニュース・新聞をよく読む、読書をする、商品知識を覚える、成功例を聞くなどのインプットを増やしたり、相手のために何が出来るかを考え抜き実行していくことです。

ビジネスマンとして当たり前のことかもしれませんが、僕自身も大手にいた時よりも、代理店で仕事をしていた時の方がこうした意識は高くなりました。

3のインセンティブに関しては、考えれば当然なのですが、版元は自社商品なので、売上は100%利益ですが、代理店は販売委託料として売上の何%かを頂く形となります。

なのでその分、従業員に還元できる原資に限りはあります。

この辺は会社によって、インセンティブの支給方法は異なりますので、気になる方は確認してみるといいかもしれません。

まとめ|自分がどうなりたいかで、選べば良し

  • 版元、代理店それぞれにメリット・デメリットがある
  • 版元は、大手ならではの福利厚生の享受、ダイナミックさを感じることができる
  • 代理店は、会社の看板ではなく、自分で勝負したい人におすすめ

いかがだったでしょうか。

どちらが良いか、悪いかというのは、結局は自分がどうなりたいか。だと思います。

後になってから「本当は版元に行きたかった」「大手は想像と違った」とならないように、納得して転職活動を進めていただければと思います。

個人的には、未経験からスタートするのであれば、

教育体制が整っている直販で数年経験→自分の強みや専門性を磨く→専門性を買ってくれる代理店に転職する

というパターンが良いと思います。

中小企業とはいえ、専門性が高ければ、大手に勤めていた時よりも、高い条件で採用してくれるかもしれません。

※僕自身はこのパターンで転職をしました。更に、その後も給与が上がりましたので、結果年収ベースでは大手の時よりも高かったです。

それでも悩んだ方は、転職エージェントに相談してみるか、転職サイトで簡単な適性検査を受けてみると自分にあった環境が見つかるかもしれません!まずは自己分析を深めましょう!


以上です。

今回も読んでいただきありがとうございました。

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