私はリクルートで6年半、その後求人広告代理店で3年。合計約10年間、求人広告の営業を行ってきました。
なぜ、この記事を書こうと思ったかというと、新卒者・中途者の入社後ミスマッチが多いからです。
- 想像していた仕事内容と違った
- もっと広告の企画とか出来ると思った
- 精神的にハードだった
など、そういった理由で辞めていく人達を沢山みてきました。
事前に実態をきちんと理解していれば、そうした入社後のギャップに悩むことはなかったのに。と思います。念のためお伝えしておくと、求人広告会社・業界の実態を批判したいわけではありません。
もちろん大変なこともありましたが、仕事を通してお客様に喜んで頂いたり、社内で営業表彰を頂くなど、頑張った分ビジネスマンとしての成長も出来ました。
なので、僕は求人広告営業の仕事は好きでしたし、仕事に対してプライドも持っていました。
ですが、実際は全員がそうした気持ちを持つわけではなく、人によっては仕事のプレッシャーを感じすぎてしまったり、会社の雰囲気に合わず馴染めなかったり、そもそもやりたいことと違ったと言って1年も立たずに退職する人もいました。
今回、僕が経験したことやリアルな実態を伝えることで、入社後のギャップを少しでも減らし、求人広告の仕事に対し前向きに、情熱を持って取り組んでくれる人が増えたらいいなと思っています。
求人広告会社のビジネスモデル
求人広告会社がどのように儲けているかというと、求人広告に掲載して頂くことで発生する広告掲載費用が売上となります。
その売上から、管理費だったり、人件費だったりを差し引いた分が、最終的な会社の利益となります。
広告代理店の場合は、売上はメーカー(リクルートやマイナビなど)に渡り、その売上の中から委託料として支払われます。
なので実態としては、広告を掲載して頂かなくては売上にならないため、広告主となるクライアントは自分たちで営業をしなければなりません。
広告業界志望の人は注意すべき
広告業界や広告代理店に憧れを持つ新卒者は多いですが、
志望理由のほとんどは
「自分が企画した広告で世の中に影響を与えたい」
「クライアントと一緒になって商品プロモーションを成功させたい」
といった内容でした。
僕は、前職で新卒説明会やグループ面接もやっていたのですが、大半はそういった理由でした。
中には面接で「マーケティングをやりたいです」と話す学生もいました。
マーケティング志望の方はおそらく、電通とか博報堂、サイバーエージェントのような会社をイメージしているだと思いますが、求人広告会社はそれらの広告会社とは性質が異なります。
華やかなイメージを持つ方も多いですが、仕事内容の実態はテレアポや飛び込み主体の営業活動です。
営業職なので業績目標があります。
週間、月間、3ヶ月、半期(半年)など常に目標数字が付いてまわります。
その目標数字を達成するために、毎日お客様へ連絡を取り、提案・受注に繋げていきます。
新人の内は、担当するお客様もいません。お客様は勝手に増えません。
なので、自らお客様を見つけにいかなければなりません。
テレアポ・飛び込み訪問は基礎中の基礎です。
また、ベテランになっても基本的にやることは同じです。
目標数字から足りなければ、それを補うために営業活動に奔走します。
さらに、新人営業の同行や育成といった、自分以外の仕事も増えるので、時間管理能力が求められます。
なので、飛び込み営業やテレアポなんて絶対にやりたくない!という人はやめておきましょう。
しかし、やっておくことで人生経験にはなります。
僕も、対人コミュニケーションは苦手でしたが、リクルートで何千回と飛び込み・テレアポ経験した結果、抵抗がなくなりました。
殻をやぶった感じですね。
おかげでフリーランスになってからも、すぐにいくつか仕事が決まりました。
どんな状況でも前に進む、突破力は大事です。
ちなみに、バイトアプリのタイミーの小川社長もこう言っています。
中でもリクルートで経験した6カ月間のインターンは強烈で、「1日8時間、営業電話をかけ続けるというプログラムが逃げ出したくなるほど、つらかった」。このときの経験がタイミーでも生かされ、自らユーザーの声を拾いながら、アプリの改善を重ねることにつながったという。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/319511
営業はビジネスの基本ですね。
集団行動が苦手な人には向いていない
求人広告会社の採用基準は特別高くありません。資格、能力も特別必要ないので、営業未経験でも歓迎しています。むしろ営業経験がある方が、不採用になることが多いです。そのため、どちらかというと人柄や性格といった人物重視です。
仕事内容は、営業活動が基本になるので、プレッシャーや理不尽なことにも耐えられるストレス耐性、言われたことをすぐに行動に移す素直さ・対応力、お客様から可愛がられる愛嬌の良さ・明朗さ、どんな悪い状況でもへこたれない前向きさ・向上心などです。
簡単に言うと、基本ポジティブな性格ではないと努まらないということです。
実際に、求人広告会社に勤めている方は、基本的に前向きな方が多いです。
そして、仲間意識・団結意識が非常に強いです。
要は、みんなで一致団結して、盛り上がることで仕事のモチベーションを保っているのです。
エネルギッシュで楽しいですし、苦楽をともにした仲間はやはりかけがえのない存在でもあります。
ただ、人によってはそうした文化に馴染めない方も多いです。
飲み会が多いのも特徴です。
歓迎会、送別会、暑気払い、忘年会、達成祝い、新チーム発足飲み会、解散会など公的なものもあれば、同僚や上司と仕事終わりに飲んで帰るということもあります。
誘われるがままに参加していると月に5回〜6回は飲みに行くようになります。
人によってはもっと多いです。
例えば、上司に「仕事のことで相談があって」と言ったとすると、業務時間内に相談時間を取ってくれるのではなく、「じゃとりあえず飲みいくか」ということになりがち。
なので、飲み会(お酒)が苦手な人。仕事は効率重視で早く終わらせたい人。副業に興味がある人(そもそも禁止されてる可能性あり)。将来のために勉強時間も確保したい人。には向かないです。
もちろん、参加は強制ではないので、断ってOKなのですが、飲みニケーションを大切にしているので、飲み会に参加しないという人はあまりいい顔されません。
むしろ積極的に飲み会参加している人は良い仕事任されたりしています。
こういう側面はもはや求人広告会社に限らずですが、それも含めて自分がどういった働き方を実現したいかによります。
「アットホームです。」
「社員同士仲が良いです。」
「上下関係もフラットです。」
というのは、集団行動が苦手な人にとっては、逆に居心地が悪い環境となり得ます。
自分の価値観と会社の文化が合う環境を見つけましょう。
今の時代、会社の規模や安定性で選ぶのではなく、自分の価値観が合うかどうかの方が大事です。
じゃないと、仕事に本気になれないですからね。
まとめ|求人広告会社への就職・転職を考えたら
いかがでしたでしょうか。この記事では求人広告会社の実態・リアルについてお伝えをしてきました。
面接の場ではなかなか自分に合う環境かどうか気づけません。
なぜなら、応募側はどうにか内定取りたいと考えてるので突っ込んだ質問はしにくいものですし、企業側も基本的に良いことしか言いません。
会社は、従業員が毎日頑張って営業活動をしてもらうために、働きやすい環境を整えてくれています。
そうした中で、自分がその環境が居心地やすく能動的に働ける場所であるかどうかは自分自身で見極める必要があります。
入社してから「想像と違った」「話と違った」と言うのは、言い訳でしかありません。
すべて、自己責任です。
なので、勢いで決めずに、事前のリサーチは徹底しましょう。
面接ではどんどん質問しましょう。
納得のいくまで考え抜きましょう。
そして、一度入社を決めたからには、一つ結果を残すまでは頑張る。くらいの覚悟は必要です。
ぜひ自分に合うお仕事が見つかることを願っています。
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