「丁寧過ぎる営業メールは悪印象を与えるって本当?」「丁寧すぎない方が良いと聞くけど判断基準がわからない。」このような悩みをお持ちではありませんか?
営業パーソンは、お客様と最前線で接する部門のため、相手に与える印象は大切です。対面商談・オンラインミーティング・メール・電話、、、。お客様と接する、一つひとつが自分の印象を決めているといっても過言ではありません。
かといって、お客様に好印象を与えようと意識するあまり、必要以上に丁寧に接するのは実は逆効果です。むしろ丁寧にしようとすればするほど、お客様の心は離れてしまうのです。
今回は丁寧すぎる営業メールが嫌われる理由と、好印象を与えるポイントについて解説します。
丁寧過ぎる営業メールが嫌われる理由
普段の営業活動で、メールを使う方も多いでしょう。メールは送る前に、構成や文章を時間を掛けて作り込むことができます。そのため、一生懸命自分を売り込もうと丁寧過ぎるメールを送る人は少なくありません。
しかし丁寧な営業メールは実は逆効果で、ほとんど反応がないばかりか、かえって悪い印象を与える可能性があります。その理由を解説します。
読みにくい
丁寧な文章をつくるほど、どうしても文章が長くなります。そのため、メールを受け取ったお客様からすれば、メールを読むことに時間がかかりますし、長文で埋め尽くされたメールを開いただけで読む気を失うことでしょう。
例えば、次のメールを見比べてみてください。
パターンA
いつも大変お世話になっております。貴社益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は弊社サービスをご愛顧いただき誠にありがとうございます。本日は、弊社で企画をさせて頂いております○○セミナーのご案内で誠に失礼ながらメールでご連絡をさせて頂きました。
パターンB
いつも大変お世話になっております。本日は○○セミナーのご案内でメール致しました。
いかがでしょうか。伝えたいことはまったく同じですが、これだけ文章量が異なります。どちらが読みやすいかといえば、当然後者でしょう。
わかりにくい
丁寧すぎるメールは、表現が回りくどいため、「結局何が言いたいのか」と読み手が迷ってしまいます。ビジネスでは円滑なコミュニケーションが求められます。
特に営業パーソンが営業をかける相手は決裁権を持つ役職者(社長・部長)などが多いもの。とりわけ、キーマンとなる相手は多忙なので、「なるべく要点を簡潔に伝えてほしい」と感じています。
無駄に長い文章を送ってしまうと「仕事ができない」というレッテルを貼られてしまう可能性があります。
付き合いにくい
自分が一緒にいて居心地が良いと感じるのはどんな人でしょうか?多くの場合は「自然体でいられる人」「気を使わない人」ではないでしょうか。
それと同様に、お客様は営業パーソンから必要以上に気を使われることに不快感を抱きます。
もちろん、お客様と営業パーソンは友達・家族ではないので、一定の距離感を保つことは大切です。しかしながら、毎回へりくだったメールを送ったり、取り繕った態度で接するのは気分が良いものではありません。
例えば、一流ホテルや高級レストランで接客を受けるのであれば、「非日常を味わうために特別な時間を過ごしたい」と感じるため、丁寧な対応は大切です。
しかしながら、日常のビジネスシーンにおいては、持ちつ持たれつの関係が基本ですので、「同じ目線で相談できるかどうか」が判断軸となります。
営業メールで好印象を与えるポイント
丁寧過ぎる営業メールはお客様に対してストレスを与える可能性すらあります。丁寧に送ったメールが逆効果となっては本末転倒でしょう。
そうした事態を防ぐためにはどういったことを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、営業メールで好印象を与えるポイントを紹介します。
一文を短くする
メールでは一文を短くすることが鉄則です。その際に意識するのが「一文一義」。つまり、「一つの文章には、一つの意味だけを持たせる」ということです。
一つの文章に2つ以上意味をもたせると、読み手は理解するのに時間がかかります。そもそも伝わらない可能性が高くなるでしょう。
例えば、以下の文章を読んでみてください。
先日お打ち合わせの際に頂いたご質問ですが、ウエブサイト改修の費用、範囲、納期について回答します。まず費用につきましては見積り価格を10%下げられないかという質問があり、こちらは正直難しいところですが、ウエブサイトの改修の範囲は一部であれば対応できると考えられ、さらに納期については1週間早めることで調整できればと考えています。
こちらを一文一義にすると次のようになります。
先日お打ち合わせ時に頂いた「ウエブサイト改修に関するご質問」につきまして、下記に弊社での対応可否をまとめました。
●費用:見積りから10%下げることは正直厳しい。
●範囲:一部の改修であれば対応可能。
●納期:1週間前倒しは対応可能。
このように一文を短くし箇条書きなども活用することで、見た目にもわかりやすくなり、読み手の負担を下げる効果があります。
敬語を多用しない
敬語を多用し、丁寧過ぎるメールはまどろっこしい印象を与え、読み手がストレスを感じやすくなります。
例えば、「〜していただき」「でございます」「お〇〇」「ご〇〇」など、言い回しがくどかったり、無駄に装飾語が多かったりする表現は固い印象を与えます。
もちろん、くだけすぎた文章は軽い印象や稚拙な印象を与えるため、ある程度のバランスが大事です。
まとめ
今回は、丁寧過ぎる営業メールは嫌われるというテーマを解説しました。
お客様は営業パーソンに、過剰なサービスを求めているわけではなく、今より自社の事業が前に進むために、課題を解決してほしいと考えています。
下手に取り繕った接し方は信頼されるどころか、逆効果になる可能性があります。もちろん中には、丁寧な対応を求めるお客様もいます。そのため、「これが正解」というものはなく、目の前のお客様がどういった接し方を臨んでいるかを普段のコミュニケーションから探る必要があります。
大前提として、営業メールは丁寧な印象を与えることではなく、「伝えたいことが明確に伝わっているか」を意識すると良いでしょう。